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リピート率を上げるためのカウンセリング術とは?

リピート率を上げるためのカウンセリング術とは?

はじめに~18年間で学んだ「真のカウンセリング」の意味

整体スクールで講師を始めて18年が経ちました。この間、数百名の卒業生を送り出し、彼らの開業後の悩みを聞き続けてきました。その中で最も多い相談が「技術には自信があるのに、なぜかリピートしてもらえない」というものです。

実は私自身も、開業当初は同じ悩みを抱えていました。専門学校で学んだ技術、解剖学、生理学の知識は十分にありました。しかし、患者さんとの向き合い方、つまり「カウンセリング」の重要性を本当に理解するまでに、長い時間がかかったのです。

今日は、私の失敗談と成功体験を織り交ぜながら、リピート率向上につながるカウンセリング術についてお話ししたいと思います。

忘れられない失敗体験~技術だけでは患者は戻ってこない

開業3年目のことです。慢性的な腰痛に悩む50代の男性、田中さん(仮名)が来院されました。建設業を営む田中さんは、毎日重いものを持つ仕事で腰を酷使していました。

初回の施術で、私は持てる技術を全て注ぎ込みました。筋膜リリース、骨盤矯正、深層筋へのアプローチ。施術後、田中さんの腰痛は明らかに軽減し、「こんなに楽になったのは久しぶりです」と喜んでいただけました。

ところが、田中さんは二度と来院されませんでした。技術的には成功だったのに、なぜリピートしてもらえなかったのでしょうか?

答えは後日、偶然街で田中さんにお会いした時に分かりました。「先生の技術は確かに素晴らしかった。でも、なんだか流れ作業のような感じがして...」

その言葉が、私の整体師人生を大きく変えました。

カウンセリングの本質は「技術」ではなく「関係性」

田中さんとの出会いから学んだことは、カウンセリングは単なる問診ではないということです。患者さんとの信頼関係を築き、その人の人生に寄り添う姿勢こそが、真のカウンセリングの本質なのです。

1. 共感的傾聴の力

現在、私のスクールで最初に教えるのは「共感的傾聴」です。これは単に話を聞くのではなく、患者さんの感情に寄り添いながら聞くということです。

ある日、更年期障害による肩こりに悩む45歳の女性、佐藤さん(仮名)が来院されました。カウンセリングで話を伺うと、症状の背景には職場でのストレス、家族関係の悩み、将来への不安など複雑な要因が絡んでいることが分かりました。

「毎日がしんどくて、肩こりなんて小さなことかもしれませんが...」と申し訳なさそうに話す佐藤さんに、私はこう答えました。

「佐藤さん、肩こりは小さなことではありません。毎日の不調が心に与える影響は、私たちが思っている以上に大きいんです。今日はゆっくりお話を聞かせてください。」

この一言で、佐藤さんの表情が明らかに変わりました。それまで緊張していた肩の力が抜け、安心したような笑顔を見せてくれたのです。

佐藤さんは現在も月2回のペースで通院され、「ここに来ると心も軽くなる」とおっしゃってくださいます。

2. 質問の技術~表面を探るのではなく、本質に迫る

効果的なカウンセリングには、適切な質問技術が欠かせません。しかし、これは尋問ではありません。患者さん自身が気づいていない問題の本質を、一緒に探していく作業なのです。

記憶に残る事例があります。慢性的な首肩こりで来院された30代のシステムエンジニア、山田さん(仮名)のケースです。

最初は典型的なデスクワーク症候群だと思われました。しかし、「いつから症状が気になり始めましたか?」「どんな時に特に辛くなりますか?」と丁寧に質問を重ねていくと、転職して新しい職場環境に適応しようとするストレスが根本的な原因であることが判明しました。

「そう言えば、前の職場では肩こりなんて気にならなかったかもしれません」と山田さん。

この気づきから、私たちは単なる症状の改善だけでなく、ストレス管理についても一緒に考えることになりました。山田さんは現在、半年以上継続して通院され、症状だけでなく仕事への取り組み方も改善されています。

リピート率向上につながる具体的なカウンセリング技術

1. ミラーリングとペーシング

患者さんとの信頼関係を築く基本技術です。相手の話すペース、声のトーン、姿勢を自然に合わせることで、無意識レベルでの親近感を生み出します。

せっかちな性格の患者さんには少しテンポよく、ゆったりした性格の方にはゆっくりと対応することで、「この先生は私のことを分かってくれる」という印象を持ってもらえます。

2. 感情の言語化

患者さんが感じている不安や不満を、適切な言葉で表現してあげることも重要な技術です。

「毎日痛みがあると、本当に疲れますよね」 「なかなか良くならないと、この先どうなるのか心配になりますよね」

このように感情を言語化することで、患者さんは「理解されている」と感じ、心を開いてくれます。

3. 希望の提示と現実的な目標設定

カウンセリングの最終段階では、具体的な改善プランを一緒に立てることが重要です。この時、過度な期待を持たせるのではなく、現実的で達成可能な目標を設定します。

「3回の施術で完全に痛みがなくなるとは言えませんが、まずは日常生活での辛さを半分にすることを目標にしましょう」

このような現実的な目標設定により、患者さんは安心して治療を継続できます。

カウンセリングで避けるべき「地雷」

1. 専門用語の乱用

「腸腰筋の拘縮により...」「第4-5腰椎間の...」

専門知識をひけらかしたくなる気持ちは分かりますが、患者さんにとっては不安を増大させるだけです。分かりやすい言葉で説明することが信頼関係構築の第一歩です。

2. 否定的な表現

「この症状は治りにくいですね」「年齢的に仕方ないですね」

このような表現は患者さんの希望を奪います。困難な状況でも、できることから始める姿勢を示すことが大切です。

3. 時間の軽視

忙しいからといって、カウンセリングを急ぐのは逆効果です。初回は特に十分な時間を確保し、患者さんの話に耳を傾けることが、長期的な関係構築につながります。

18年間で学んだ「カウンセリングの極意」

多くの患者さんと向き合ってきて分かったことは、人は技術よりも「関係性」を求めているということです。完璧な技術よりも、自分のことを真剣に考えてくれる治療家を選ぶのです。

現在、私のスクールの卒業生の多くが高いリピート率を維持できているのは、この「関係性重視のカウンセリング」を身につけているからだと確信しています。

リピート率を上げたいなら、まずは患者さん一人ひとりと真摯に向き合うことから始めてください。技術は後からでも身につけられますが、人との関係性を築く力は、日々の積み重ねでしか培えません。

おわりに~治療家としての使命

カウンセリング技術は、単なる集客ツールではありません。痛みや不調に悩む人々の人生に寄り添い、希望を与える崇高な技術なのです。

これから整体師を目指す皆さん、すでに開業されている皆さんも、ぜひカウンセリングの重要性を再認識していただければと思います。そして、一人でも多くの患者さんの笑顔に出会えることを心から願っています。

技術と心、その両方を兼ね備えた治療家こそが、真に患者さんから愛され、必要とされる存在になれるのです。

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