副業から始める整体！働き方の選択肢と成功のコツ
整体スクールで講師を務めて18年、最近特に増えているのが「副業として整体を始めたい」という相談です。終身雇用制度が揺らぎ、働き方改革が進む中で、多くの方が本業以外の収入源を求めています。整体は手に職をつけられる分野として注目を集めているのです。
私の教え子の中にも、副業から始めて最終的に独立開業を果たした方が多数います。今日は、そうした実体験を踏まえて、副業整体師としての働き方の選択肢と成功のコツについてお話ししたいと思います。
副業整体師が増えている背景
まず、なぜ副業整体師が増えているのでしょうか。私が見てきた生徒さんたちの動機を整理すると、主に3つのパターンがあります。
一つ目は「経済的な理由」です。会社員の田中さん（仮名）は、子供の教育費や住宅ローンのために副収入が必要でした。「月に10万円でも増やせれば家計が楽になる」と整体を学び始めました。
二つ目は「将来への不安」です。IT企業に勤める佐藤さん（仮名）は、「いつリストラされるかわからない時代だから、手に職をつけておきたい」と考えていました。
三つ目は「やりがいを求めて」です。事務職の山田さん（仮名）は、「毎日同じ作業の繰り返しで、もっと人の役に立つ仕事がしたい」と整体師の道を選択しました。
どの動機も共通しているのは、「安定した本業を持ちながら、新しい可能性を探りたい」という気持ちです。この慎重なアプローチこそが、副業整体師の大きなメリットでもあります。
副業整体師の働き方の選択肢
副業として整体を行う場合、いくつかの働き方があります。それぞれのメリット・デメリットを実際の事例と共にご紹介します。
出張整体スタイル
最も始めやすいのが出張整体です。先ほどの田中さんは、このスタイルで副業をスタートしました。平日の夜や休日に、お客様のご自宅や職場を訪問して施術を行います。
田中さんの場合、最初は知人や同僚から始めました。「肩こりがひどくて」という同僚に「整体を習ったから試させて」と声をかけたのがきっかけでした。施術後に「楽になった！」と喜ばれ、その方からの紹介で徐々にお客様が増えていきました。
出張整体のメリットは初期費用がほとんどかからないことです。ポータブルベッドと基本的な道具があれば始められます。また、お客様にとっても「家で受けられる」という利便性があります。
ただし、移動時間がかかることや、天候に左右されることがデメリットです。田中さんも「雨の日の移動は大変」と話していました。
レンタルサロン活用スタイル
次に人気なのがレンタルサロンを活用するスタイルです。佐藤さんがこの方法を選択しました。
佐藤さんは最初、自宅での施術を考えていましたが、「家族のプライバシーも気になるし、お客様も来にくいのでは」と考え、時間貸しのレンタルサロンを利用することにしました。
週末の決まった時間帯にサロンを借り、予約制で施術を行います。プロっぽい雰囲気の中で施術ができるため、お客様からの信頼度も高くなりました。「ちゃんとしたサロンで受けられるなら」と、より多くの方に利用していただけるようになったそうです。
費用は1時間2000円程度からと手頃で、必要な時だけ借りられるので効率的です。ただし、予約が入らない時でも場所代がかかることがネックです。
副業OKの整体院でのアルバイト
三つ目は、既存の整体院でアルバイトとして働くスタイルです。山田さんがこの道を選びました。
山田さんは「いきなり個人で始めるのは不安」と感じていました。そこで、副業OKの整体院を探し、土日のアルバイトスタッフとして働き始めました。
このスタイルのメリットは、安定した収入と実践経験を同時に得られることです。また、先輩整体師からの指導を受けられるため、技術向上にもつながります。山田さんも「現場で学べることが多い」と話していました。
ただし、雇用される立場なので、時給制であることや、自分のペースで仕事ができないことがデメリットです。
副業整体師として成功するためのコツ
これまで多くの副業整体師を見てきた経験から、成功するためのコツをお伝えします。
明確な目標設定
まず大切なのは明確な目標設定です。「なんとなく副収入を得たい」ではなく、「月に○万円稼ぐ」「○年後に独立する」といった具体的な目標を立てましょう。
田中さんは「月10万円」という明確な目標があったからこそ、計画的に活動できました。月10万円なら1回5000円の施術を月20回行えば達成できます。そのために必要な顧客数や施術頻度を逆算し、営業活動を行いました。
時間管理の徹底
副業の最大の難しさは時間管理です。本業との両立は想像以上に大変で、多くの方がここで挫折します。
成功している副業整体師に共通するのは、時間の使い方が上手だということです。佐藤さんは平日の夜1時間を勉強時間、土日の午前中を施術時間と決めて、メリハリをつけていました。
また、家族の理解と協力も不可欠です。山田さんは家族会議を開き、副業への取り組みについて理解を得てから始めました。「家族の支えがなければ続けられなかった」と振り返っています。
信頼関係の構築
副業だからといって手を抜いてはいけません。むしろ、限られた時間だからこそ、一人一人のお客様を大切にする必要があります。
田中さんは施術前後の説明を丁寧に行い、日常生活でのアドバイスまで提供していました。「副業でやっているなんて思えない」とお客様から高い評価を得て、紹介による新規顧客が絶えませんでした。
継続的な学習
技術の向上は継続的に行う必要があります。私のスクールの卒業生向け勉強会には、多くの副業整体師が参加しています。
「本業が忙しくても、月1回は必ず参加する」という佐藤さんのような方が、長期的に成功しています。新しい技術を学ぶことで、お客様に提供できる価値も高まります。
リスク管理
副業といえども、お客様の体を扱う仕事です。保険加入や法的な知識の習得は必須です。
私はいつも生徒さんに「もしもの時のことを考えて準備しておくように」とアドバイスしています。整体師向けの損害保険もありますし、施術に関する法律についても最低限の知識は必要です。
副業から本業への転換
私の教え子の中には、副業から始めて最終的に独立開業した方も多数います。田中さんも2年後には脱サラして、現在は繁盛店を経営しています。
副業期間は「修行期間」と考えるとよいでしょう。技術の習得、顧客との関係構築、経営感覚の養成など、独立に必要な要素を少しずつ身につけていけます。
ただし、独立のタイミングは慎重に判断する必要があります。安定した収入の見込みが立ってから踏み切ることが大切です。
まとめ
副業整体師という働き方は、現代のニーズに合った選択肢の一つだと思います。リスクを抑えながら新しい可能性を探れる点で、多くの方にお勧めできます。
ただし、成功するためには明確な目標設定、時間管理、継続的な学習が不可欠です。「副業だから」と甘く考えず、プロ意識を持って取り組むことが成功の秘訣です。
これから副業整体師を目指す皆さんには、まず小さな一歩から始めることをお勧めします。知人への施術から始めて、徐々に範囲を広げていけば、必ず道は開けるはずです。
18年間この業界を見続けてきた私からのアドバイスです。皆さんの新しい挑戦を心から応援しています。
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